昨今盛り上がりを見せるDEX(分散型取引所)分野において、投資家からの注目を一手に集めているHYPE(Hyperliquid)。これから投資を考えている方は、まずトークンやプロジェクトの実態を深く理解しておくことが重要です。
この記事では、トークノミクスやオンチェーンデータを活用したホルダー分布情報をもとに、Hyperliquidというフィルターを通してHYPEを分析します。本記事を読めば、HYPE投資の判断材料を得られるでしょう。
- HYPEはガス代支払いやステーキング、ガバナンスに活用されるHyperliquidのネイティブトークン
- HyperliquidはHyperCoreやHyperBFTコンセンサスにより、CEX並みの高速なオンチェーン取引を実現
- コミュニティを重視したトークン配分だが、ホルダー分布はHyperliquid関連ウォレットに偏っている
- HyperEVMやHIP-3等によるHyperliquidの成長が、HYPEの実需強化に大きく影響する可能性がある
HYPE(Hyperliquid)とは?
トークン名 | Hyperliquid(ハイパーリキッド) |
---|---|
ティッカーシンボル | HYPE |
トークンセクター | DEX(分散型取引所) |
対応ブロックチェーン | Hyperliquid |
発行上限枚数 | 10億HYPE |
現在価格 | 40.12ドル |
時価総額 | 13,400,662,119ドル |
時価総額ランキング | 11位 |
上場済みの取引所 | Bybit・Bitget・MEXCなど |
HYPEは、デリバティブ取引に強みを持つDEXである「Hyperliquid」のネイティブトークンです。
Hyperliquidは、高速処理を実現するレイヤー層「HyperCore」と独自のコンセンサスアルゴリズム「HyperBFT」を基盤としています。中央集権型取引所(CEX)と同様のオーダーブック形式や最大50倍のレバレッジ倍率でトレーダーから注目を集め、分散型取引所市場で急速にシェアを拡大しているDEXのひとつです。
さらに、EVM互換のスマートコントラクト環境「HyperEVM」が実装されたことで、Hyperliquidは単なる取引所からDeFiプラットフォームへとシフト。Hyperliquid上で開発者が自由に汎用的なサービスを展開できるようになり、これまで「Felix」や「HyperLend」など期待の新規プロトコルが誕生しています。
Hyperliquidの基盤となる独自チェーン「Hyperliquid L1」のTVL(預かり資産)は執筆時点で約18.1億ドル(約2,624億円)を突破。そのエコシステムの急速な成長とともにHYPEへの注目が高まっています。
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HYPEの歩み:主要な出来事
これまでのHYPEならびにHyperliquidの主要な出来事をまとめると、以下のとおりです。
- 2022年7月:ジェフ・ヤン氏らによってHyperliquid設立
- 2022年12月:Hyperliquid L1テストネット稼働開始
- 2023年2月:Hyperliquidのメインネット稼働開始
- 2024年4月:ミームコイン「PURR」のエアドロップ実施
- 2024年11月:HYPEのトークン生成イベント(TGE)を実施
- 2024年12月:HYPEのステーキング機能を公開
- 2025年2月:HyperEVMメインネット稼働開始
- 2025年3月:ミームコイン「JELLYJELLY」の上場廃止騒動
- 2025年5月:Perp市場のリスティングを可能にした「HIP-3」の登場
2022年7月の設立以降、Hyperliquidはインフラ構築や機能改善を着実に進めてきました。その結果、PURRやHYPEのエアドロップなどをきっかけに、Hyperliquidの注目度と認知度を高めることに成功しています。
Hyperliquidは現状で満足せず、HyperEVMやHIP-3といった新機能の実装にも取り組んでおり、さらなるエコシステムの拡張にも注力。その積極的な姿勢が多くのユーザーや開発者をエコシステムに惹きつけています。
トークノミクスとホルダー分析
ここでは、トークンアロケーションや主要ホルダーという観点からHYPEを分析します。
トークンアロケーション
HYPEの総供給量は10億枚となっており、執筆時点では約3.3億枚が供給済みとなっています。以下は、HYPEのトークンアロケーション(トークン配分)設計です。
参考:https://www.tokenomist.ai/hyperliquid
※ グラフをタップすると各項目の詳細が表示されます。
トークンリリーススケジュール
コア貢献者に対するHYPE割り当ては、トークン生成イベントから1年間凍結。その後、2027年から2028年にかけて段階的にトークンがコア貢献者に行き渡ります。リリーススケジュールは以下のとおりです。

参考:https://www.tokenomist.ai/hyperliquid
【独自分析】主要ホルダー分布
HYPEの総ホルダーウォレット数は、執筆時点で140,302ウォレットとなっています。以下は上位10ホルダーとHYPEの保有比率を示したものです。

参考:https://hypurrscan.io/token/0x0d01dc56dcaaca66ad901c959b4011ec
上位4ホルダーまではHyperliquid関連のウォレットが占めており、HYPE保有比率は合わせて約35%。特にHyperLabsの配分が24.1%と大きく、HYPE保有量がプロジェクトに偏っていることがわかります。
しかし、積極的なHYPEバイバック(買い戻し)を進めるアシスタンスファンドの存在は、市場に持続的なHYPE買い圧力を生み出す要因となっています。現状2.57%の保有量を今後どの程度拡大できるかに注目です。
また、上位4ホルダー以下はラベルのないウォレットが続いており、個人もしくは機関的な大口投資家であることが予想できます。現状のHYPEはHyperliquid関連と大口投資家で二分されているような状況です。
トークン総評
HYPEは初期ユーザーへの配布や将来的な報酬が全体の約70%を占めることから、ユーザーへの還元と成長へのインセンティブを重視していることがうかがえます。
また、アシスタンスファンドのバイバックにより、HYPEはトークン需要が高まりやすい設計となっている点も事実です。こうした特徴がより市場で評価されれば、HYPEの価格上昇につながる可能性が考えられます。
しかし、Hyperliquid関連ウォレットがHYPEを大量保有しているため、価格動向がプロジェクトに依存しやすいという側面もあります。ラベルのないウォレットによる保有比率も高いため、意図的な価格操作による売り圧力には注意が必要です。
ホルダーが価格動向に与える影響は決して小さくありません。投資の際はオンチェーンツールやブロックチェーンエクスプローラーを活用しながら、ホルダーの売買動向を把握しておきましょう。
HYPEのユースケースと注目ポイント
ここでは、HYPEのユースケースや投資の際の注目ポイントについて解説します。
ユースケース:手数料・ステーキング・ガバナンス
HYPEは、HyperEVM上でのスマートコントラクト実行時に発生する手数料(ガス代)支払いのほか、Hyperliquid L1でのステーキングやガバナンス投票といったマルチなユースケースを持ちます。
ステーキングにおいては、Hyperliquid L1のバリデータにHYPEを委任することで報酬を得られます。なお、ユーザーは10,000 HYPEを自己ステークすれば、誰でもバリデータとしてブロック承認活動への参加が可能です。
また、HYPE保有者は新機能の追加や修正、プロジェクト資金の用途などの意思決定へ参加できる点もポイント。HYPEはユーザーの収益機会を提供するだけでなく、分散型プロジェクトの実現を可能にするトークンとなっています。
注目ポイント①:億万長者続出のエアドロップ
2024年11月のTGEの際、初期貢献者にHYPEエアドロップが実施されました。このエアドロップでは、総供給量の31%にあたる3億1,000万HYPEが割り当てられています。
最も多くのエアドロップを獲得したアカウントには合計1,975,123.7 HYPEが配布され、執筆時点の換算で約100億円もの資産額となります。少ない労力に比例した大規模なエアドロップは、DEX界隈でも話題を呼びました。
Hyperliquidは依然として報酬・エコシステム向けにHYPEを38.9%も確保しているため、追加エアドロップが期待されています。価格上昇が続いているHYPEの将来的なエアドロップでは、初回以上の億万長者を生み出す可能性があります。
注目ポイント②:取引量に応じたトークンバーン
HyperliquidではUSDC以外のスポット資産で徴収された手数料がバーンされる仕組みを採用しています。これはHYPEにも適用されており、HYPEがデフレトークンであることを示す要因のひとつです。
執筆時点でのHYPEバーン総量は312,200 HYPE(約1,252万ドル相当)、総供給量に対するバーン比率は0.0312%です。大幅なバーンが見られたのがTGE翌日の11月30日となっており、当時の活発な取引から32,400 HYPE(約130万ドル相当)がバーンされています。

バーン総量や比率から考慮すると、バーンがHYPEの価格に与える直接的な影響はごくわずかと考えられます。しかし、アシスタンスファンドによる積極的なバイバックが加わることで、HYPEは市場での希少価値を高めながら、持続的な価格上昇を可能にしたトークン設計を実現しています。
HYPEの今後の展望と将来性
Hyperliquid公式サイト上では、今後の具体的なロードマップは掲載されていません。しかし、コミュニティWikiでは今後、以下のような機能実装・拡張といった計画予定が明記されています。
- トークンユーティリティ・インセンティブの拡張
- さらなるネットワークの分散化とオープンソース化
- HIP-3のメインネット公開とパーペチュアルリスティングの分散化
- HyperEVM上で100以上のプロジェクトローンチ
- Hyperliquidを活用した製品で数百万人のユーザーをサポート
今後のHyperliquidはHYPEのみならず、ネットワークやプロダクト強化にも力を入れています。特にHIP-3は、「誰でも許可なく無期限先物市場を立ち上げできる」として市場で注目を集める機能です。HIP-3により多様な無期限先物市場がHyperliquid上で誕生すれば、さらなるエコシステムの活性化に期待できます。
また、HyperEVM上での新たなプロジェクト誕生も、Hyperliquidの成長を後押しする重要な要素です。ユーザーや開発者の流入が加速すれば、Hyperliquid上への資金流入の増加や流動性の向上などにつながるでしょう。
Hyperliquidの将来的な成長は、HYPEに新たなユースケースをもたらす可能性があります。今後は投機筋のみならず、Hyperliquidエコシステムユーザーからの需要も高められるかも価格上昇の鍵を握りそうです。
HYPEの購入方法
HYPEは執筆現在、国内の仮想通貨取引所では購入できません。購入にあたっては、以下のような海外の大手仮想通貨取引所を経由して進める必要があります。
- Hyperliquid:HYPE発行元の分散型取引所
- Bitget:充実した取引・資産運用とBGB保有特典がメリット
- MEXC:最大200倍のレバレッジや業界最大級の取扱通貨数
- KuCoin:強固なセキュリティやシンプルな操作性に強みを持つ
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上記のような海外仮想通貨取引所の口座を開設した後、国内仮想通貨取引所を経由して元手通貨を準備します。HYPE購入までの流れは以下を参照してください。
- 国内仮想通貨取引所の口座開設
- 国内仮想通貨取引所へ日本円を入金
- 元手となる通貨(BTCやETHなど)を購入
- 海外仮想通貨取引所(Bybitなど)の口座を開設
- 元手通貨を海外仮想通貨取引所へ送金
- 元手通貨でUSDT(Tether)を購入
- USDTでHYPEを購入
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まとめ
HyperliquidやHyperEVMといった主力プロダクトの将来性は、今後のHYPEを左右する大きな要因です。Hyperliquid全体としての成長は、HYPEの価格上昇に直接的な影響をもたらす可能性が考えられます。
また、プロジェクト動向の監視はもちろん、ホルダーの売買動向の注視も必須です。特に大口投資家による意図的な価格操作や将来的なエアドロップによって発生し得る利益確定の売り圧には警戒しておく必要があります。
プロジェクトの最新動向やオンチェーンデータを日頃から参照しつつ、ぜひ慎重な姿勢を持ってHYPEへの投資を進めてみてください。