「DOGEの妹」として誕生したミームコイン「Neiro(ネイロ)」は、魅力的な背景ストーリーと慈善活動で注目を集めています。しかし、実際に投資を検討する際は、その実態を深く理解しておくことが重要です。
この記事では、Neiroの概要に加え、オンチェーンデータを基にしたトークノミクスやホルダー分布などについて徹底分析します。また、プロジェクトの将来性についても独自の視点で考察。この記事を読めば、あなたがNeiroに投資すべきかどうかの判断材料が見つかるでしょう。
- Neiroは、DOGEの由来になった「かぼすちゃん」の飼い主が後に引き取った柴犬がモデルのミームコイン
- ヴィタリック・ブテリン氏など業界著名人の注目により、ローンチ当初から話題に
- トークンはすでに市場に全量が流通しており、開発元や初期投資家からの売り圧リスクは低い
- 上位ホルダーの60%以上が中央集権型取引所に集中し、大口投資家の保有比率が高い点には要注意
- ガバナンス投票の実施や新たな財団設立など、コミュニティ主導で他のミームコインと一線を画す
Neiro(NEIRO/ネイロ)とは?

トークン名 | First Neiro On Ethereum |
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ティッカーシンボル | NEIRO |
トークンセクター | ミームコイン |
対応ブロックチェーン | Ethereum・Base・Solana |
発行上限枚数 | 420,690,000,000 NEIRO |
現在価格 | 0.0004856ドル |
時価総額 | 204,315,293ドル |
時価総額ランキング | 193位 |
上場済みの取引所 | Bybit・Bitget・MEXC・KuCoin |
Neiro(First Neiro On Ethereum)は、「DOGE(ドージコイン)の妹」を称するミームコインです。
DOGEのモデルになった「かぼすちゃん」の飼い主が引き取った柴犬がトークン名の由来となっており、Neiroはミームコインやインターネット文化の精神を引き継ぐことを目的として誕生しました。
NeiroはEthereum(イーサリアム)をはじめ、Base(ベース)やSolana(ソラナ)などのブロックチェーンにも対応。また、売買手数料が無料となっており、ユーザーはコスト負担なく取引を進められます。
Neiroの開発者は特定されていませんが、元の開発者によりプロジェクトは放棄されました。しかしその後、Neiroのコミュニティが団結。現在はコミュニティ主導でトークンの分散管理が行われています。
Neiroの歩み:主要な出来事
Neiroはコミュニティ主導で発展してきたユニークな歴史を持っています。これまでの主要な出来事を時系列で見ていきましょう。

トークンローンチ当初から業界の著名人が関与しており、これが話題作りの起爆剤となりました。その後は、コミュニティ財団の設立やIPライセンス取得などの活動を経てプロジェクトの信頼性を高めています。
Neiroは単なるミームコインとしての域を超えた、長期的な成長を目指すプロジェクトであると判断できます。これからのプロジェクト発展にも注目したいところです。
トークノミクスとホルダー分析
Neiroへ投資する際はトークンの根幹を理解することが重要です。ここからは、Neiroのトークン供給モデルと現在の主要ホルダー分布から見える市場への影響などについて、独自の視点から解説します。
トークン供給の特性
Neiro公式サイト上では具体的なトークノミクス(トークン経済モデル)は用意されていません。トークンの発行上限は420,690,000,000 NEIROとなっており、執筆現在ではそのすべてが市場に流通しています。
すべてのトークンが市場に流通している点は、将来的なロック解除や追加発行などによる市場への大きな売り圧力がないことを意味しているため、投資家にとっては安心材料と言えるでしょう。
また、Neiroは特定のベンチャーキャピタル等から資金提供を受けていません。今後のプロジェクト開発やマーケティング活動に関する資金は外部の力頼りで進める必要があります。特定プロジェクトからの善意のトークン寄付が見受けられるものの、資金確保は今後のプロジェクト運営上の課題になります。
【独自分析】現在の主要ホルダーの分布
オンチェーンデータを分析すると、現在のNeiroホルダー構成が見えてきます。以下は、2025年6月12日時点での上位10ホルダーの保有比率をまとめたものです。

上位10ホルダーのうち、中央集権型取引所(CEX)が総供給量の63.13%を保有しています。NeiroはCEXに流動性が集中しているため、今後トークンの分散化がどのように進んでいくかに注目です。
また、Neiro Foundation(コミュニティマルチシグ)の保有量は0.07%となっており、上位ホルダーからは除外されています。これはNeiroが真にコミュニティ主導のプロジェクトを目指していることの裏付けと言えます。
注目するべきは、「クジラ」と呼ばれる大口投資家が5.46%の保有率を誇る点です。このクジラがトークン売却に乗り出せば、Neiro価格に大きな変動をもたらす可能性が考えられます。ArkhamやBubblemapsなどのオンチェーンツールを活用し、ホルダー情報を継続的に監視して売買動向を把握しておくことが重要です。
Neiroのユースケースと注目ポイント
Neiroは単なるミームコインに留まらず、コミュニティ主導のガバナンスと社会貢献を通じて、その価値と実用性を確立しています。ここでは、Neiroのユースケースや注目ポイントについて掘り下げて解説します。
ユースケース:ガバナンスへの活用
Neiroは実質的にコミュニティ内のガバナンストークンとして利用されています。
2025年3月、NEIROコミュニティは善意で受け取った、Neiroの妹を称するミームコイン「COCORO」トークンの使用方法に関するガバナンス投票を実施。その際、1NEIROが1票として機能しました。

上記はガバナンス投票の結果です。今回は60億票を超える投票が行われており、97.7%の投票数を経て、COCOROトークンが今後のプロジェクト開発や慈善活動に使用されることが決定しています。
Neiroによるガバナンス投票の実施は、今回のケースが初の事例となりました。今後もNEIROコミュニティに対する資金援助といった重要なシーンでは、同様のガバナンス投票が行われる可能性があります。
Neiroは単なるミームコインから、ガバナンス機能を持つトークンとして生まれ変わりました。Neiroは明確なビジョンや社会貢献目的を持った、持続可能な分散型プロジェクトの基盤を担う存在と言えます。
注目ポイント:慈善活動とIPライセンス
Neiroを管理する「Neiro Foundation(ネイロ財団)」は、子犬動物保護施設への慈善寄付活動を行っています。ネイロ財団のこれまでの献身的な慈善寄付例は以下のとおりです。

これらの慈善寄付の資金源は、コミュニティからの資金提供やボランティア活動によるものです。この寄付活動の根底にはDOGEミームで知られるかぼすちゃん、そしてその後に引き取られたねいろ自身が、かつて動物保護センターで保護されていたという経験が大きく影響しています。
また、ネイロ財団は2025年4月、ねいろの飼い主である佐藤敦子氏より、Neiroの独占的なIPライセンスを取得したことを公式Xで発表。これにより、コミュニティはNeiroの名前を冠したデジタル製品やサービスなどの展開・販売活動ができるようになりました。
NeiroコミュニティはIPライセンスの取得について、「Neiroブランドの価値を守り、飼い主の創造物を尊重し続ける」と強調。Neiro IPが他のプロジェクトに悪用されないため、権利保護にも力を入れています。
ミームコインの大半は実用性を持たないことが多いですが、Neiroはガバナンス機能や慈善活動、IPライセンス取得などを通じ、持続可能なエコシステムやコミュニティの発展に寄与しています。これらの既存ミームコインでは珍しい要素が、トークン価値を支える基盤になる可能性があります。
Neiroへの投資における注意点
Neiroへの投資を検討する際には、以下のような重要なリスク要因を理解しておく必要があります。
- クジラの意図的な価格操作によるトークン価格急落
- Neiroが集中するCEXにおけるセキュリティリスク
- 同じティッカーシンボルを持つトークンが存在する
上位ホルダーである「クジラ」は、Neiro市場を大きく動かす力を持っています。意図的な価格操作を目的として大規模な売却を行った場合、トークン価格の急変動から損失を被るリスクが考えられます。
とはいえ、供給量の大部分がCEXに依存しているため、ハッキング被害によるNeiro流出の可能性も否定できません。仮にこうした流出事件が起きた場合、トークン価格が急落することも懸念しておく必要があります。
また、「ねいろ」が人気のミームであることから、「Neiro Ethereum」や「neiro.lol」など、同じティッカーシンボルを持つトークンが複数存在します。購入を進める際は上場情報も確認しながら、投資対象のトークンをしっかり精査することが重要です。
Neiroの今後の展望と将来性
Neiroは現在のところ公式サイトで具体的なロードマップを明かしていませんが、直近の動向からプロジェクトやトークンの将来性を読み解くことができます。
まず注目すべきは、2025年1月にケイマン諸島に設立された「Neiro Community Foundation」です。この財団設立の主な目標は、Neiro DAOに分散型のガバナンスシステムとプロセスを導入すること、そして慈善活動のための合法的手段を確保し、従来のコミュニティ主導プロジェクトにとって課題であった銀行サービスへのアクセスを実現することです。
財団の設立はプロジェクトの信頼性と持続性を大きく向上させ、競合プロジェクトとの差別化を図る重要な要因となります。グローバルな慈善寄付活動を法的な枠組みの中で行うことで、Neiroはより信頼性と透明性の高いプロジェクトへ成長していくことが期待されています。
また、ねいろの飼い主からの正式なIPライセンスの取得は、他のNeiro関連プロジェクトとの差別化を図る大きなポイントです。NFTやゲーム、教育コンテンツなどのIPを活用した多様なサービス展開が可能となり、これがNeiroトークンの実用性と需要を高める可能性が考えられます。
今後のコミュニティ主導のプロジェクト運営はもちろん、Neiroミームが市場でより広く認知されることで、プロジェクト全体の信頼性も向上し、長期的なエコシステム構築に貢献することが期待されます。トークン価格が今後上昇していくのかについても、このエコシステム構築の進展が影響してくるでしょう。
Neiroの購入方法
Neiroは執筆時点で国内の仮想通貨取引所には上場していません。トークン購入の際は、以下のようなNeiroを取り扱う海外の仮想通貨取引所を利用する必要があります。
上記のような海外仮想通貨取引所の口座開設後、国内仮想通貨取引所を経由して元手通貨を準備します。以降のNeiro購入までの流れについては以下を参照してください。
- 国内仮想通貨取引所の口座開設
- 国内仮想通貨取引所へ日本円を入金
- 日本円で元手通貨を購入
- 元手通貨を海外仮想通貨取引所へ送金
- 元手通貨でUSDT(Tether)を購入
- USDTでNeiroを購入
以上のステップを踏むことで、国内では取り扱いのないNeiroも海外仮想通貨取引所を通じて購入できます。Neiroが目指す分散型ガバナンスや慈善活動に共感した方は、ぜひ上記の手順で購入を進めてみてください。
まとめ
Neiroは単なるミームコインの枠を超え、ガバナンス機能や慈善活動に積極的に取り組むことで独自の価値を確立しています。ねいろの飼い主から公式IPライセンスを取得し、NeiroやDOGEなどのブランド価値保護にも注力する姿勢はプロジェクトの信頼性を高める強い要素です。
今後もコミュニティ主導の運営が促進されれば、Neiroの価格にプラスに働く可能性が考えられます。ただし、クジラの売買動向や、トークン分布がCEXに偏っている点は、投資を検討する上で注意が必要です。オンチェーンデータや今後のプロジェクト動向などを継続的にチェックし、慎重に投資を進めることが求められます。